相続税の虎

相続税の基礎控除とは、どういうことでしょうか?

相続財産の金額が相続税の基礎控除を超えると相続税の申告義務があるようですが、どのように計算されますか?

相続税はどれだけの方がかかっているのでしょうか?

相続が発生した場合、相続税がかかることがありますが、

相続税の世界では、基礎控除というものがあります。

相続税の基礎控除を超えない場合は相続税が課税されません。厳密に表現すれば、相続税の申告義務がありません。

国税庁の調査によると、令和二年中の被相続人の数(死亡者数)は1,372,755人で、相続税の申告書の提出にかかる被相続人の数は120,372人であり、相続税の課税割合は8.8%です。

相続税の基礎控除について

では相続税に関する基礎控除について見ていきましょう。

まず、相続税は相続する財産額が一定額を超えた場合にのみ発生しますので、全ての相続人や相続時に必ず相続税を支払う必要があるわけではないことは理解しておきましょう。

現在、相続税に関する基礎控除の額については、最低が3,000万円となっています。

つまり、相続財産が3,000万円を超えないのであれば、相続人の数が何人であっても、相続に対する税金の納税や、申告の必要はないことになります。

基礎控除額の計算方法は、

課税金額=相続税の基礎控除額3000万円+(法定相続人×600万円)

となっています。

この計算式の法定相続人の数は、相続人の中で相続放棄を選択した相続人の数も含まれていることに注意しましょう。

ただし、相続人に養子が含まれる場合は、制限がありますので以下で確認してください。

法定相続人の人数の中に含まれる養子の数は、被相続人に実子がいる場合については1人だけ、被相続人に実子がいない場合については2人までとの制限になっています。

つまり、養子がいる場合の計算方法は、被相続人の財産の相続人が、被相続人の配偶者と実子1名、養子2名の合計3名で計算する場合、実子がいるのであれば養子は1人で計算しますので、【基礎控除額3,000万円に+(法定相続人3名×600万円)】(配偶者、実子、養子1名)の計算式となり、基礎控除額については合計で4,800万円になるのです。

つまり、相続税の基礎控除額とは、計算で算出された金額以内を相続するのであれば、相続税は課せられませんという規定になるのです。

ただし相続税の計算は基礎控除額内にはいるかどうかだけでなく、

小規模宅地などの特例を適用させる場合には、それをうまく適用することによって課税価格の合計の金額が基礎控除以下となることがあります。

上記の特例を適用する場合は、相続に関する税金の申告が必要となりますので、十分に注意するようにしてください。 このように、全ての相続財産に対して相続税が課せられるわけではありませんので、自分が実際に相続した時に相続税の課税対象となるのかのどうかを、あらかじめ知識を入れておくと実際の場面で役に立つことでしょう。ただし、小規模宅地などの特例については、それを申告する税理士によって、その効果の差異が生じやすいので、経験豊富な税理士にご相談されることをお勧めします。