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不動産があると相続トラブルが起きやすい?事例でわかりやすく解説

不動産の相続トラブルは具体的にどのようなトラブルが起こるのだろう?と心配される方も多いと思います。

不動産は高額な財産であり、現金のように簡単に分ける事ができないため、トラブルに発展しやすくなります。

実際に不動産の相続トラブルが発生してしまうと、解決までに想像以上に長い時間を要してしまったり、他の相続人との関係が悪くなってしまったりしてしまうこともあります。

そういった事態を避けるためには、トラブルの事例と対策・解決方を知って、事前に対策をしておくことが必要です。

本記事では、よくある不動産の相続トラブルを紹介していきます。

不動産を誰が相続するのか決まらない

これは不動産相続トラブルの代表例です。

以下のような方は特に注意が必要です。

 ・自分以外にも相続人がいる
 ・遺産のほとんどを不動産が占めている
 ・不動産の評価額が高い

よくあるトラブル事例

 ・残された遺産には人気エリアに位置し、最近リフォームされた自宅(評価額7,000万円)と現金2,500万円があった

 ・遺産分割を巡り、長男と次男は共に自宅の所有を望んだため、協議は難航

 ・お互いが譲歩しない結果、以前は仲が良かった兄弟の関係が悪化

解決策

 上記のようなトラブルが起こってしまった場合は、以下のような方法で解決を図りましょう。

①不動産の分割方法を話し合う(遺産分割協議)

不動産の分割の方法は4つあります。4つのうちのいずれかで解決ができないかまずは話し合ってみましょう。

 (1)現物分割・・・ひとつの土地をそのまま複数人で分ける方法

 (2)共有分割・・・ひとつの土地を複数の相続人の共有名義にして相続する方法

 (3)代償分割・・・現物財産の一部(不動産等)、もしくは全てを相続人の1人が相続し、代わりに他の相続人に代償金を支払う方法

 (4)換価分割・・・財産の一部(不動産や有価証券等)、もしくは全てを売却し、現金化してから分割する方法

②遺産分割調停を申し立てる

話し合いで解決できなかった場合、遺産分割調停を申し立て、解決を図る方法があります。

遺産分割調停とは、亡くなった人の遺産について相続人間で意見の食い違いがあるときに、裁判所を介して公正な第三者(調停委員)の助けを借りて、解決を図る手続きです。

相続人同士で合意に達することができない場合に、話し合いによる解決を目指し、全員が納得のいく遺産分割を行うための方法です。

調停では、相続人全員の立場や要望を考慮しながら、調停委員が中立的な立場から解決策を提案し、合意形成を促します。

調停によって合意が成立すれば、裁判所から正式な決定が出され、その内容に従って遺産を分割します。

相続税が支払えない

遺産に不動産が含まれる場合、相続税が支払えない、ということがしばしば起こります。

相続税は原則現金で納めなければならないため、遺産が不動産ばかりだと相続税の納付にあてる現金が足りなくなってしまうことがあるのです。

以下のような方は特に注意が必要です。

 ・遺産の総額が基礎控除額を超える
  ※基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の人数
  相続税の基礎控除とは>>

 ・遺産のほとんどを不動産が占めていて現金がほぼない

よくあるトラブル事例

 ・遺された遺産には自宅と賃貸アパートがあった

 ・遺産を調べ、相続手続きを進めるうちに、相続税が800万円かかることが判明した

 ・現金は介護費用に使用してしまいほとんど残されていなかった

解決策

 上記のようなトラブルが起こってしまった場合は、以下のような方法で解決を図りましょう。

①延納制度を利用する

相続税を期限までに納付することが困難な場合には、相続税の延納制度を利用することができます。

この制度を利用することで、相続人は相続税の全額または一部を、定められた期間内で分割して支払うことが可能になります。

ただし、制度の利用には税務署への申請が必要で、一定の条件を満たす必要があります。

また、延納が認められると、税金の支払いが猶予されますが、その間利息が発生する点には注意が必要です。

②物納制度を利用する

相続税を現金で納付することが難しい場合には、現金の代わりに相続した財産(主に不動産や株式など)を納めることができます。この制度を利用することで、相続人は現金を準備しなくても、相続した資産そのものを税金の支払いに充てることが可能になります。

ただし、物納を利用するには税務署への申請が必要で、評価額や物納に適した資産かどうかなど、一定の条件を満たす必要があります。

また、全ての財産が物納に使えるわけではないため、利用できる財産の種類や条件について事前に確認しておくことが重要です。

不動産を相続しようとしたら、前の世代の名義のままだった

遺産分割協議書を作成して、不動産を相続しようと不動産関係の書類を取り寄せた後に、不動産の名義変更がされていなかった、というケースがあります。

中には、何世代か前のままだったと発覚するケースもあります。

相続登記は義務化されましたので、特に注意が必要です。

よくあるトラブル事例

 ・父が亡くなり不動産の相続のため書類を取り寄せると名義が祖父のままであることが判明

 ・名義を祖父から長男へ直接変更することができない(祖父→父→長男へと変更する必要がある)

不動産の名義変更の際には、前の相続の名義変更を済ませる必要があります。

しかし、ひとつ前の相続の相続人と連絡が取れないケースも多く、スムーズに進まないことが少なくありません。

非常に手間と時間がかかる手続きですが、面倒だからと放置していると、相続人がどんどん増えてしまい、収拾がつかなくなってしまいます。

解決策

上記のようなトラブルが起こってしまった場合は、以下のような方法で解決を図りましょう。

先に起こった相続の名義変更から行う

このようなトラブルが起こった場合には、先に起こった相続の名義変更から行い、そのあとに今回発生した相続の名義変更を進める必要があります。

連絡が取れない相続人がいたり、名義変更に同意してくれなかったりする場合には、専門家に依頼して相続人の調査を行ったり、遺産分割調停を申し立てたりすることが有効です。

相続した不動産に住む予定がなく空き家になっている

相続人の中で、全員の意向が一致しないと相続の手続きや売却の手続きが進められません。

しかし、亡くなった人が住んでいた家をそのまま放置していると、空き家トラブルを引き起こすおそれがあります。

空き家にしておくリスク

①建物が劣化する

使用されていないと、家の老朽化が早まります

②犯罪に悪用される

空き家は盗難や侵入のリスクが高く、ごみを不法投棄されることもあります

③固定資産税

空き家でも固定資産税の支払いが必要です
 ※家の劣化が進むと市町村から「特定空き家」に認定され、固定資産税が6倍になります

④近隣とのトラブル

空き家が周囲の景観を損ね、近隣住民との関係が悪化する可能性があります

⑤法的責任

空き家が原因で事故が起こった場合、所有者が損害賠償義務等、法的な責任を問われることがあります

よくあるトラブル事例

 ・思い出が詰まった実家を壊したくない、という想いから残しておくことにした

 ・遠方に住んでいるため残した実家には足を運ばなくなっていった

 ・数年後訪れると建物が劣化しており、修繕のために300万円の費用がかかることになった

空き家のまま放置してしまうと、建物が劣化してしまうだけでなく、後から費用が掛かってしまうこともあります。

解決策

空き家トラブルのリスクがあるだけでなく、固定資産税や修繕維持費も発生し、管理のための労力がかかってしまいます。

ご家族が住まれないのであれば、賃貸などで有効活用することをおすすめいたします。

まとめ

不動産の相続は注意すべきポイントが非常に多いです。

トラブルが起こってしまった際には、専門家に相談し、ひとつずつ解決していく必要があります。

また、相続が発生する前にできる対策として、遺言書を作成する、将来相続人となる方と配偶者を含め、事前に話し合う等を行っておくことでスムーズに相続できる可能性が高くなります。

まずは、相続財産を把握し、相続人とも早めの話し合いを検討しましょう。

遺産相続手続きは具体的に何をする?~押さえておくべき遺産相続の流れを徹底解説~

役所での手続きや公共料金等の解約手続きが完了したあとに対応が必要になるのが、遺産相続手続です。

この記事では、遺産相続手続きの流れについて解説します。

遺産相続手続きの大まかな流れ

 遺言書の有無の確認
    ↓
 相続人の確定
    ↓
 相続財産の調査
    ↓
 相続方法の決定(相続または放棄)
    ↓
 遺産分割協議書の作成
    ↓
 相続税の申告、納付
    ↓
 相続遺産の分配完了(名義変更等)

手続きの流れに沿って、一つずつ確認していきましょう。

遺言書の有無の確認・相続人の調査・相続財産の把握

まずは、遺言の有無を確認します。遺言書の有無によりその後の手続きが異なりますので、必ず確認しておきましょう。

遺言書がある場合、法定相続分と異なる割合での遺産分割や法定相続人以外に財産を受け継げます。

そのため、遺産分割協議完了後に遺言書が見つかってしまうと、遺産分割協議のやり直しになる恐れがあり非常に手間がかかります。

遺言書の有無を確認する方法

遺言書の有無を確認する方法は3通りあります。

 ①公証役場で検索(確認)する

 ②自宅など保管されていそうな場所を探す

 ③法務局で検索(確認)する(自筆証書遺言の保管制度利用の場合)

公証役場での遺言の検索方法

もし、亡くなった方が平成元年以降に公証役場で公正証書遺言を作成していた場合、以下の手続きを踏めば、確実に遺言書にたどり着くことが出来ます。

調査開始から遺言書内容確認までの一連の流れは以下の通りです。

  1)必要書類を集めて最寄りの公証役場へ行く

  2)日本全国の公証役場を検索対象として、遺言書があるかどうかを調べてもらう

  3)遺言書が見つかれば、作成された公証役場に必要書類を提出して謄本をもらう

遺言書の有無を調べる場所に特に決まりはありません。全国どこの公証役場でも全国を対象に検索することができます。

そのため、最寄りの公証役場に行くのが良いでしょう。

相続人が公証役場で遺言を検索する際に必要な書類

相続人が検索する場合には、以下の書類が必要になります。

  ・亡くなった人の死亡が記載された除籍謄本 
 ・(代襲)相続人と故人の関係を示す戸籍謄本
 ・身分証明書(運転免許証,パスポートなど)+認印

遺言書がある場合

遺言書の検認(家庭裁判所での手続きが必要)を行います。

遺言書の検認とは

遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出して相続人などの立会いのもとで、遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。

そうすることで相続人に対して、確かに遺言はあったんだと遺言書の存在を明確にして偽造されることを防ぐための手続きです。

遺言書の検認には期限がありませんが、検認をしないままだと相続登記や預貯金の払い戻しなどの手続きができません。

また、検認には1か月程度の時間がかかるため、早めに進めなければ後の手続きがどんどん先延ばしになり、結果的に期限のある手続きを期限内に終えることができなくなってしまいますので、早めに対応しましょう。

※公正証書遺言については、公証人が作成しているので、改ざんや偽造される可能性はないということで検認手続きをする必要はありません。

遺言がある場合に相続手続きで注意すべき点>>

遺言書がない場合

故人が遺言書を作成しておらず、遺産分割協議を行うときには、相続人の調査を最初に行いましょう。

遺産分割協議は法定相続人全員で参加する必要があり、新たに相続人が見つかってしまうと遺産分割協議をやり直さなければならないからです。

相続人の調査は、戸籍謄本などの書類を収集して行います。

具体的には、故人の死亡時からさかのぼって出生までの戸籍謄本を取得し、その後に相続関係を特定するための戸籍を収集します。

相続人の確定や戸籍謄本の収集完了後は、相続財産の調査を行います。

これらが完了した後に、相続方法を決定します。

相続方法の決定について

それぞれの財産についてプラスかマイナスか調査し、その財産が相続人にとって必要か不要かを判断していただきます。

その判断ができたら、次に相続するかどうかを決めます。

相続の方法は次の3つがあります。

①相続財産を単純承認する

すべての相続財産をそのまま相続する選択です。

単純承認を選択した場合は、このまま具体的な相続手続きに進みます。

②相続財産を放棄する

何も受け継がない選択で、これを相続放棄と呼びます。

マイナスの財産の方が多いときに、よく選択される方法です。

相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立をします。

③相続財産を限定承認する

限定承認とは、プラスの財産の範囲内で債務を引き継ぐ方法で、相続した借金等のマイナスの財産は相続した財産額までしか責任を負わなくて良くなるという手続きのことです。

一言で言うと「相続した財産の範囲でしか相続した借金を払う必要が無くなる相続方法」です。

相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して限定承認の申立をします。

限定承認のデメリット

限定承認は一見メリットが多いように思えますが、以下のようなデメリットもあるため注意が必要です。

  1)共同相続人全員が共同して申し立てなければならない

  2)みなし譲渡所得税という税金が発生する場合がある

   不動産や株式等の財産が有る場合に限定承認を行うと、みなし譲渡所得税という税金が発生する場合があります。

  3)手続きが複雑で長引く可能性がある

   限定承認は申立をしてから手続きが完了するまでに1~2年かかる事もあります。

遺産分割協議の開始

遺言書がなかった場合には、相続人全員で相続財産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行います。

遺産分割協議に法的な期限はありませんが、後述する相続税申告時に遺産分割協議書の提出が必要になるので、相続開始から10ヶ月以内に完了させるのが理想です。

なお、遺産分割協議は相続人全員で行う必要がありますが、全員が1ヶ所に集まり行う必要はありません。

電話やメール、その他の方法で意見交換をしながら協議を進めるのでも、問題ありません。

意見の相違や連絡が取れない相続人がいて遺産分割協議が難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、裁判所関与のもと話し合いを進めなければなりません。

遺産分割協議の注意点

 ■必ず相続人全員で行う 
  ※必ずしも、一堂に会して話し合う必要はなく、全員が合意している内容の協議書を、郵送などの持ち回りで署名・押印する、という形をとっても良いです。

 ■「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載する。

 ■後日発見された遺産(借金が出てくる場合もある)を、どのように分配するか決めておく 
  (記載漏れがあっても、改めて協議書を作成しなくて済むため)。

 ■不動産の表示は、所在地や面積など、登記簿の通りに記載する。

 ■預貯金などは、銀行名、支店名、預金の種類、口座番号なども細かく記載する。

 ■住所・氏名は、住民票、印鑑証明書通りに記載する。

 ■実印で押印し、印鑑証明書を添付する。

 ■協議書が複数ページにわたる場合は契印をする。

 ■協議書の部数は、相続人の人数分、及び金融機関等への提出数分を作成する。

 ■相続人が未成年の場合は、法定代理人(通常は親権者)が遺産分割協議に参加するか、未成年者が成年に達するのを待ってから遺産分割協議をする。

 ■法定代理人も相続人である場合は、互いに利益が対立することになるため、家庭裁判所に特別代理人の選任申立を行う 
  (未成年者である相続人が複数いる場合は、それぞれ別の特別代理人が必要)。

 ■相続人に胎児がいる場合は、胎児が生まれてから作成する。

 ■相続人の一人が分割前に推定相続分の譲渡をした場合は、遺産分割協議にはその譲り受けた者を必ず参加させなければならない。

遺産分割協議の方法や遺産分割協議書の作り方を誤ると、やり直しになってしまうことがありますので、注意が必要です。

遺産分割協議が完了したら、決定した内容を遺産分割協議書にまとめます。

遺産分割協議書作成のポイント

 ■用紙 
  紙の大きさに制限はありません。

 ■押印 
  遺産分割協議書が数ページになるときは、法定相続人全員の実印で契印してください。

  法務局では、少しの記入ミスでも訂正を求めますので、できれば捨印があった方がいいでしょう。

  捨印を押すのを嫌がる相続人がいるときは、チェックして間違いがないことを確認しましょう。

  署名の後ろに捺印する実印は、鮮明に押印する必要があります。

 ■財産の表示 
  不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。

 ■日付 
  遺産分割協議書の相続人が署名、押印した日付は、遺産分割の協議をした日か、あるいは最後に署名した人が署名した日付を記入するようにしましょう。

 ■相続人の住所・氏名 
  必ず、相続人本人に署名してもらいましょう。

  住所、氏名は、印鑑証明書に記載されているとおりに記載します。

遺言書や遺産分割協議書の内容に従って各種名義変更の手続きを実施

預貯金・有価証券等の名義変更手続き

遺産分割協議書の作成が完了したら、各相続財産の相続手続きを行えます。

預貯金や有価証券等の名義変更手続きの流れは、以下の通りです。

 1)金融機関や証券会社に連絡する

 2)残高証明書の開示、照会請求を行う

 3)所定の届出用紙(相続手続依頼書)を入手する

 4)届出用紙と必要書類を提出する

 5)相続人が口座開設を行う(有価証券等を相続する場合)

必要書類の種類や細かい手続きの流れに関しては、各金融機関で異なる場合もあるので、故人が口座開設していた金融機関に連絡をいれてみましょう。

相続した不動産の名義変更手続き

令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。

そのため、不動産を相続したら相続登記が必要となります。

不動産の名義変更の手続きの流れ

名義変更の手続きは大まかに、以下の手順で行います。

1)遺産分割協議の終了

2)登記に必要な書類の収集

 亡くなられた方(被相続人)の書類
 ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
  ※戸籍謄本等は相続人を確定するために必要です。

  被相続人の記載のある戸籍謄本は1通ではありません。  
  原則、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍謄本を集めなければなりません。
  また、転籍や婚姻などをされている場合、転籍前や婚姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍を取得しなければなりません。

 ・住民票の除票の写し(本籍・続柄の記載あるもの マイナンバー記載不可)または、戸籍の附票の除票

 相続人の書類
 ・法定相続人全員の戸籍謄本 
 ・遺産分割協議書
 ・法定相続人全員の印鑑証明書
 ・相続財産をもらい受ける相続人の住民票の写し
  ※本籍・続柄の記載あるもの マイナンバー記載不可
 ・相続する不動産の固定資産評価証明書(一番新しい年度のもの)
 ・相続する物件の登記事項証明書

3)登記申請書の作成
 登記の申請書の作成は、状況毎に内容が複雑に異なります。
 司法書士に依頼し、正確かつ速やかな手続をしましょう。

4)法務局への登記の申請  
 登記の申請用に集めた書類をまとめ、相続する不動産を管轄とする法務局に登記申請をします。
 提出した書類に不備がなければ1週間程で登記が完了し、不動産の名義が変更されます。

相続税の申告

相続財産の分割方法が決定したら、相続財産の評価額を算出し相続税がかかるかどうか計算をしましょう。

相続税とは親族が亡くなった場合に、その人が残した財産を相続、遺贈などによって取得した時にかかる税金のことです。

相続税の申告・納税は相続の発生を知った日の翌日から10か月以内に、亡くなった方の亡くなった当時の住所地の税務署に対して行わなければなりません。

相続税の基礎控除

相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除枠が用意されています。

相続財産がそもそも基礎控除の範囲内に収まる場合には、相続税の申告も納税も必要ありません。

この基礎控除額を超える遺産を相続する場合、相続税の申告手続きを行わなければなりません。

申告先は税務署ですが、被相続人の住所を管轄する税務署となるので注意が必要です。

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相続税申告に必要な添付書類一覧

相続税の申告に必要な書類を一覧でご紹介します。

どの書類が必要かは、相続する資産の種類によって異なりますので、ご参考にしてください。

 1.全員が必要な書類

 2.不動産を相続する場合に必要な書類

 3.株式や投資信託を相続する場合に必要な書類

 4.預貯金を相続する場合に必要な書類

 5.生命保険金を受け取る場合に必要な書類

1.全員が必要な書類一覧

下記の書類は、全国各地の市区町村役場(所)で取得することができます。

通常、被相続人が亡くなってから10日以上が経過した後に取得することが必要です。

 ・被相続人の生まれてから死亡までの戸籍謄本等 
 ・全ての相続人の戸籍謄本
 ・全ての相続人の印鑑証明書

2.不動産を相続する場合に必要な書類一覧

不動産(土地や建物など)を相続する場合、次の書類が必要です。

【土地】
 ・登記簿謄本(全部事項証明書):法務局で入手できます
 ・固定資産税評価証明書:市区町村役場(所)の資産税課、東京都の場合は都税事務所で入手できます
 ・地積測量図または公図の写し:法務局で入手できます
 ・賃貸借契約書(借家がある場合のみ):自宅などで入手できます

【建物】
 ・登記簿謄本(全部事項証明書):法務局で入手できます
 ・固定資産税評価証明書:市区町村役場(所)の資産税課、東京都23区の場合は都税事務所で入手できます
 ・賃貸借契約書(賃貸の場合のみ):自宅などで入手できます

3.株式や投資信託を相続する場合に必要な書類一覧

株式や投資信託などに関わる財産を相続した場合には以下の書類が必要です。

【上場株式・投資信託】
 ・証券会社の残高証明書:契約している証券会社で入手できます
 ・配当金の支払通知書:自宅などで入手できます

【非上場株式】
 ・過去3期分の決算書(勘定内訳書などの添付書類を含む):該当企業で入手できます
 ・税務申告書(法人税・地方税・消費税):該当企業で入手できます

4.預貯金を相続する場合に必要な書類一覧

 ・金融機関の預金残高証明書:取引している金融機関で入手できます
 ・被相続人の過去5年分の通帳のコピー:自宅などで入手できます
 ・定期預金の既経過利息計算書:取引している金融機関などで入手できます

5.生命保険金等を受け取る場合に必要な書類一覧

 ・生命保険金支払通知書:契約している生命保険会社で入手できます
 ・生命保険証書:自宅などで入手できます
 ・解約返戻金のわかる書類:契約している生命保険会社で入手できます 

まとめ

期限がある中で確実に漏れなく相続手続きを行うには、手続きに必要な書類や期限を網羅的に把握しておくことが不可欠です。

相続は人生で何度も経験することではありません。慣れている人などいません。

手続きはたくさんありますが、時には専門家を頼りながらひとつひとつ着実に済ませていきましょう。

身近な人が亡くなったら必要な死後の手続き

あなたのご家族やご親族が亡くなり、ご家族・ご親戚や関係者への連絡、葬儀の手配、弔問の対応などで、諸手続きに全く手が回らない、ということはありませんでしょうか。

しかし、下記のような手続きも葬儀関係のことと同時並行にしなくてはいけません。

 ・死亡届の提出:7日以内
 ・年金の受給停止手続き:14日以内(厚生年金は10日以内)
 ・世帯主変更届(住民異動届):14日以内
 ・健康保険の手続き:14日以内
 ・介護保険の資格喪失手続き・介護保険証の返却:14日以内
 ・公共料金等の名義変更・解約など:できるだけ早く
 ・遺族年金の請求
 ・国民年金の死亡一時金の請求
 ・埋葬料、葬祭料、家族葬祭料の請求
 ・高額医療費の申請
 ・所得税の準確定申告:4か月以内

これらの手続きは、相続手続き同様、ご自身で進めるのが非常に大変な手続きです。

それぞれ作成する書類、書類の受取先・提出先、費用であればその請求先、期限などが違います。

そのため、それぞれの作業の優先順位を決めないと、間違えて期限に間に合わない手続きが発生してしまい、場合によっては追徴課税や思わぬ損失を被る可能性があります。

そのためにも、これらの手続きについて知って、ひとつずつ丁寧かつスピーディーに手続きを進めていきましょう。

死亡届の提出

相続とは、被相続人が死亡した時から必ず開始されるものです。

相続が発生したらまず行う手続は、死亡届の提出です。

死亡届は故人の死亡後、7日以内に必ず行いましょう。

死亡届の提出方法

死亡届は死亡診断書とセットになっているA3の書類です。

 提出期限:死亡から7日以内
 提出する人:亡くなった方の配偶者や親族、同居人(提出自体は上記の方以外も可能)
 提出先:死亡地もしくは故人の本籍地、届人の本籍地の市区町村役場
 必要書類:医師による死亡診断書、届人の印鑑

年金の受給停止手続き(厚生年金は10日以内)

故人が年金を受給されていた場合、年金を受け取る権利もなくなるため、受給停止を年金事務所または年金相談センターに、死後10日以内に届け出る必要があります。

これを「死亡の届出」と言います。

手続きの遅れにより受け取り過ぎた年金は、後日返金しなければなりませんので、期限内に手続きを済ませる必要があります。
※なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている方は、原則として、「年金受給権者死亡届(報告書)」を省略できます。)

また、故人がまだ受け取っていない年金や、故人が亡くなった日よりも後に振込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、未支給年金として、故人と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

未支給年金を受け取るための手続きのことを「未支給年金請求の届出」と言います。

年金の受給停止手続に必要な書類

提出期限

 国民年金:死亡日から14日以内
 厚生年金:死亡日から10日以内

提出する人

 亡くなった方の配偶者や親族、同居人

提出先

 国民年金:住民地の市区町村役場
 厚生年金:社会保険事務所

必要書類

 故人の年金証書
 死亡の事実を明らかにできる書類
 (戸籍抄本、市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書)

未支給年金請求の届出に必要な書類

 ・故人の年金証書
 ・故人と請求する方の続柄が確認できる書類(戸籍謄本等)
 ・故人と請求する方が生計を同じくしていたことがわかる書類
  (死亡した受給権者の住民票(除票)および請求者の世帯全員の住民票 等)
 ・受け取りを希望する金融機関の通帳
 ・故人と請求する方が別世帯の場合は「生計同一についての別紙の様式」

世帯主変更届(住民異動届)

住民票からの抹消は、死亡届を提出することによって自動的に処理されますが、故人が世帯主だった場合には、世帯主の変更届や住民票関係の手続きをしなければなりません。

遺された世帯員が2人以上いる場合には、世帯主変更届(住民異動届)を提出しましょう。

期限は故人の死亡後14日以内となっていますが、死亡届提出と一緒に行うのがおすすめです。

世帯主変更届の提出方法や必要書類は、下記の通りです。

世帯主変更届に必要な書類

提出期限

 亡くなってから14日以内

提出する人

 同一の世帯員
 代理人

提出先

 亡くなった方の住所地の市区町村役場窓口

必要書類

 住民異動届
 本人確認書類(保険証や運転免許証など)
 印鑑
 委任状(代理人が提出する場合)

健康保険の手続き

故人の死亡後14日以内に、故人が加入していた健康保険の「資格喪失手続き」と「健康保険証の返却」を行いましょう。

日本国内に住所がある人は年齢や国籍に関わらず、以下のいずれかの健康保険に加入しています。

 ・国民健康保険:自営業者や学生
 ・後期高齢者医療保険:75歳以上の人
 ・被用者の健康保険:会社員や公務員

加入している健康保険によって、手続き方法や必要書類が異なるのでご注意ください。

また、故人の家族が扶養に入っていた場合には、自分自身の健康保険証も返却する必要がある点や自分で国民健康保険に加入する、別の家族の扶養に入るなどの手続きも必要です。

介護保険の資格喪失手続き・介護保険証の返却

故人が65歳以上もしくは40~64歳で要介護認定を受けていた場合には、死亡日から14日以内に「介護保険被保険者証の返却」と「介護保険資格喪失届の提出」が必要です。

介護を受ける場合に受け取れる介護保険は、死後自動的に資格が失われるようになっていません。

そのため、「介護保険被保険者証の返却」と「介護保険資格喪失届の提出」を故人の死亡から14日以内に
故人の住所があった市区町村役場まで行って手続きをする必要があります。

なお、故人が下記に当てはまる場合に必要な手続きです。

 ・65歳以上の方(第1号被保険者)
 ・医療保険に加入しており、要介護・要支援認定を受けていた40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)

なお、故人の介護保険の支払状況によっては、未納分の支払が必要になる場合や、逆に還付を受ける場合もあります。

この手続きをする際に必要な書類は以下の通りです。 

 ・介護保険被保険者証
 ・介護保険資格喪失届
 ・介護保険負担限度額認定証(交付を受けている方のみ)
 ・保険料過誤状況届出書 (還付金が発生する場合)

公共料金等の名義変更・解約など

故人の死亡後は、公共料金の名義変更や解約など様々な契約手続きも必要になります。

契約手続きの変更や解約には法的な期限はありませんが、料金が発生する手続きは早めに解約してしまうのが良いでしょう。

名義変更手続きや解約が必要な主な契約

 ・公共料金(電気・ガス・水道など)
 ・クレジットカード・メンバーカード
 ・携帯・固定電話・プロバイダー・ネット上の有料サービス
 ・運転免許証・パスポート

遺族年金の請求

遺族年金とは、家族の扶養者、わかりやすく言うと家族の収入のほとんどを獲得している人が亡くなった場合に、その遺族に支給される年金です。

自営業者は遺族基礎年金、公務員や会社員の場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給できます。
ただし、全員が受給できるのではなく、条件がいくつかあります。

それぞれ、請求申請を行う場所が違います。

遺族基礎年金の請求は故人の住所地の市区町村役場で行います。

遺族厚生年金の請求は故人の住所地の年金事務所または年金相談センターで行います。

遺族年金の請求に必要な書類

 ・年金請求書
 ・年金手帳
 ・戸籍謄本
 ・世帯全員の住民票の写しまたは死亡した人の住民票除票の写し
 ・請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票など)
   (高校生の子がいる場合)子の在学証明書または学生証など
 ・死亡診断書(死体検案書)のコピー
 ・受け取りを希望する預金口座の通帳など
 ・他の公的年金で年金をもらっている場合は年金証書
   (死亡の原因が交通事故など第三者の行為による場合は別途必要な書類があります)

国民年金の死亡一時金の請求

国民年金の死亡一時金とは、国民年金法に定める給付の一つで、国民年金の第 1号被保険者(国民年金の第1号被保険者には、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生、無職の人と、その配偶者が該当)または任意加入被保険者として国民年金保険料を納めた期間が 36 月以上の人が、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受けないまま死亡したときに、その人と生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)に支給されるものです。

遺族が遺族基礎年金を受け取られる場合は受給できません。

請求期限は死亡日の翌日から2年となっております。

国民年金の死亡一時金の請求に必要な書類

 ・国民年金死亡一時金請求書
 ・亡くなった人の年金手帳
  ※提出できないときは、その理由書が必要です。
 ・戸籍謄本
 ・請求者の世帯全員の住民票の写し
 ・亡くなった人の住民票(除票)
  ※世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要
 ・受取先金融機関の通帳又はキャッシュカード(コピー可)
  ※請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要です。

埋葬料・葬祭料・家族葬祭料の請求

埋葬料・葬祭料(または葬祭費)・家族葬祭料とは、国民健康保険協会などから支給される、葬儀費用の補助制度のことを指します。

それぞれ対象と対応する言い方が違うだけで、実質は同じものです。

葬儀費用の補助制度の違い

埋葬料

故人が国民健康保険以外の健康保険の被保険者だった場合、あるいは全国健康保険協会(協会けんぽ)の加入者だった場合

家族埋葬料

故人が被保険者の扶養家族だった場合
(なお、被保険者が資格を喪失した場合でも、3か月以内であれば支給の申請が可能)

葬祭料

故人が国民健康保険の被保険者やその扶養家族だった場合または後期高齢者医療制度の加入者だった場合

家族葬祭料

故人が国民健康保険の被保険者の扶養家族だった場合

簡単にまとめると、自営業者や個人事業主で国民健康保険に加入している場合は「葬祭費」、会社員で健康保険や協会けんぽに加入している場合は「埋葬料」と覚えておけば十分でしょう。

それぞれ、申請期限は埋葬料の場合は「死亡日の翌日から2年以内」、葬儀費の場合は「葬儀の日から2年以内」です。

埋葬料の申請に必要な書類

申請先は健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)です。

 ・健康保険埋葬料(費)支給申請書
 ・健康保険証
 ・埋葬許可証か死亡診断書(コピー可)
 ・葬儀費用の領収書など葬儀を行った事実と金額がわかるもの

葬祭費の申請に必要な書類

申請先は住所地の市区町村役場です。
 ・国民健康保険葬祭費支給申請書
 ・国民健康保険証
 ・葬儀費用の領収書など葬儀を行った事実と金額がわかるもの

高額医療費の申請

「高額医療費制度」とは国民健康保険、後期高齢者医療制度、健康保険の加入者が、1カ月単位の医療費の自己負担が高額になったとき一定の金額(自己負担限度額)を超えて支払った分が払い戻される、もっとわかりやすく言うと、もしもケガや病気で大きく医療費がかかった場合に、上限を設けて負担を抑えてくれる制度です。

申請先は、まず保険証に記載の窓口に連絡いただければ、後は対応方法を教えてもらえます。

高額医療費の申請に必要な書類

 ・領収書
 ・保険証
 ・印鑑
 ・振込口座のわかるもの
 ・(必要な場合)支給申請の書類

所得税の準確定申告

所得税の準確定申告とは、1年の途中で死亡した人に確定申告の必要があった場合に、故人の確定申告を相続人が代わりに行うことを指します。

所得税の準確定申告は申告が必要である人の死亡を知ってから4か月以内に行います。

また、納税の期限も、準確定申告の提出期限と同一ですので、注意が必要です。

さらに、電子申告は準確定申告には使用できないため、故人の住所地の管轄の税務署に申告書を提出する必要があります。

これらの手続きが終わった後、具体的に故人の遺産をどのように相続するかを決める手続きに入っていきます。

相続発生後の手続きスケジュール

大切な方、身近な方が亡くなるとそのご家族や関係者の方達は様々な手続きや届出、申告等を行うことになります。

これらの手続きや届出、申告等には期限が定められているものが数多くあります。

期限内に届出・申告等を行う必要があります。手続きをスムーズに行うためには、それぞれの手続きについて具体的に内容を把握しておくことが大切です。

この記事では、相続が発生したらすべき手続きの主な内容とスケジュールをご紹介します。

相続手続の目安スケジュール

 ●初七日後:初七日が終わって少し落ち着いてから、公共料金などの名義変更・解約手続き、年金・生命保険関係の手続きを行う

 ●亡くなってから2か月後:遺産を引き継ぐための手続きに必要となる相続人・相続財産の調査を終了させる

 ●亡くなってから半年~8か月後:遺産分割協議を終了させる
  ※特に、相続税が発生する方は、亡くなってから10ヵ月以内に相続税申告をする必要があるため、余裕を持って遺産分割協議を進めましょう。

上記は、あくまで目安のスケジュールです。

個々の事情によっては優先しなければいけない手続きがある場合もあります。より具体的な内容とスケジュールを以下にご紹介します。

被相続人の死亡(相続開始)

家族が亡くなったときには死亡診断書を交付してもらいましょう。

死亡診断書はこの後の死亡届提出だけでなく、生命保険金の請求等でも必要になりますので、必ずコピーを取得しておきましょう。

死亡届の提出

相続とは、被相続人が死亡した時から必ず開始されるものです。

相続が発生したらまず死亡届の提出を7日以内に行いましょう。

年金の受給停止手続き(厚生年金は10日以内)

故人が年金を受給されていた場合、年金を受け取る権利もなくなるため、受給停止を年金事務所または年金相談センターに、死後10日以内に届け出る必要があります。

これを「死亡の届出」と言います。

手続きの遅れにより受け取り過ぎた年金は、後日返金しなければなりませんので、期限内に手続きを済ませる必要があります。

※なお、日本年金機構に個人番号(マイナンバー)が収録されている方は、原則として、「年金受給権者死亡届(報告書)」を省略できます。)

世帯主変更届(住民異動届)

住民票からの抹消は、死亡届を提出することによって自動的に処理されますが、故人が世帯主だった場合には、世帯主の変更届や住民票関係の手続きをしなければなりません。

遺された世帯員が2人以上いる場合には、世帯主変更届(住民異動届)を提出しましょう。

期限は故人の死亡後14日以内となっていますが、死亡届提出と一緒に行うのがおすすめです。

健康保険の手続き

故人の死亡後14日以内に、故人が加入していた健康保険の「資格喪失手続き」と「健康保険証の返却」を行いましょう。

日本国内に住所がある人は年齢や国籍に関わらず、以下のいずれかの健康保険に加入しています。

 ●国民健康保険:自営業者や学生
 ●後期高齢者医療保険:75歳以上の人
 ●被用者の健康保険:会社員や公務員

加入している健康保険によって、手続き方法や必要書類が異なるのでご注意ください。

また、故人の家族が扶養に入っていた場合には、自分自身の健康保険証も返却する必要がある点や自分で国民健康保険に加入する、別の家族の扶養に入るなどの手続きも必要です。

介護保険の資格喪失手続き・介護保険証の返却

故人が65歳以上もしくは40~64歳で要介護認定を受けていた場合には、死亡日から14日以内に「介護保険被保険者証の返却」と「介護保険資格喪失届の提出」が必要です。

介護を受ける場合に受け取れる介護保険は、死後自動的に資格が失われるようになっていません。

そのため、「介護保険被保険者証の返却」と「介護保険資格喪失届の提出」を故人の死亡から14日以内に故人の住所があった市区町村役場まで行って手続きをする必要があります。

公共料金等の名義変更・解約など

故人の死亡後は、公共料金の名義変更や解約など様々な契約手続きも必要になります。

契約手続きの変更や解約には法的な期限はありませんが、料金が発生する手続きは早めに解約してしまうのが良いでしょう。

名義変更手続きや解約が必要な主な契約

  • 公共料金(電気・ガス・水道など)
  • クレジットカード・メンバーカード
  • 携帯・固定電話・プロバイダー・ネット上の有料サービス
  • 運転免許証・パスポート

これらの手続きと同時に進めなければいけないのが、遺産を引き継ぐための手続きに必要となる相続人・相続財産の調査です。

遺言書の有無の確認・相続人の調査・相続財産の把握

まずは、遺言の有無を確認します。遺言書の有無によりその後の手続きが異なりますので、必ず確認しておきましょう。

遺言書がある場合、法定相続分と異なる割合での遺産分割や法定相続人以外に財産を受け継げます。

そのため、遺産分割協議完了後に遺言書が見つかってしまうと、遺産分割協議のやり直しになる恐れがあり非常に手間がかかります。

遺言書がある場合

遺言書の検認(家庭裁判所での手続きが必要)を行います。

遺言書の検認とは、遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出して相続人などの立会いのもとで、遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。

そうすることで相続人に対して、確かに遺言はあったんだと遺言書の存在を明確にして偽造されることを防ぐための手続きです。

※公正証書遺言については、公証人が作成しているので、改ざんや偽造される可能性はないということで検認手続きをする必要はありません。

遺言書がない場合

故人が遺言書を作成していなく遺産分割協議を行うときには、相続人の調査を最初に行いましょう。

遺産分割協議は法定相続人全員で参加する必要があり、新たに相続人が見つかってしまうと遺産分割協議をやり直さなければならないからです。

相続人の調査は、戸籍謄本などの書類を収集して行います。

相続人の確定や戸籍謄本の収集完了後は、相続財産の調査を行います。

これらが完了した後に、相続方法を決定します。

遺言のない相続の場合遺産分割について>>

相続方法の決定について

それぞれの財産についてプラスかマイナスか調査し、その財産が相続人にとって必要か不要かを判断していただきます。

その判断ができたら、次に相続するかどうかを決めます。

相続の方法は次の3つがあります。

1.相続財産を単純承認する

すべての相続財産をそのまま相続する選択です。

単純承認を選択した場合は、このまま具体的な相続手続きに進みます。

2.相続財産を放棄する

何も受け継がない選択で、これを相続放棄と呼びます。

マイナスの財産の方が多いときに、よく選択される方法で、相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立をします。

3.相続財産を限定承認する

被相続人のプラスの財産、マイナスの財産がどの程度あるか不明である場合等に、プラスの財産の限度でマイナスの財産を受け継ぐ選択です。

結果的にマイナスの財産よりプラスの財産のほうが多かった場合、財産はそのまま引き継げます。

相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して限定承認の申立をします。

なお、相続財産の使い込みや隠匿も単純承認とみなされますので、後から共同相続人の一人が財産をごまかしていたことがわかると大変なことになります。

単純承認をした場合、次のステップとして相続放棄をしなかった相続人の間で財産の分け方を決める話し合いをします。

所得税の準確定申告

所得税の準確定申告とは、1年の途中で死亡した人に確定申告の必要があった場合に、故人の確定申告を相続人が代わりに行うことを指します。

所得税の準確定申告は申告が必要である人の死亡を知ってから4か月以内に行います。

また、納税の期限も、準確定申告の提出期限と同一ですので、注意が必要です。

さらに、電子申告は準確定申告には使用できないため、故人の住所地の管轄の税務署に申告書を提出する必要があります。

遺産分割協議の開始

遺言書がなかった場合には、相続人全員で相続財産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行います。

遺産分割協議に法的な期限はありませんが、後述する相続税申告時に遺産分割協議書の提出が必要になるので、相続開始から10ヶ月以内に完了させるのが理想です。

なお、遺産分割協議は相続人全員で行う必要がありますが、全員が1ヶ所に集まり行う必要はありません。

電話やメール、その他の方法で意見交換をしながら協議を進めるのでも、問題ありません。

意見の相違や連絡が取れない相続人がいて遺産分割協議が難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申立て、裁判所関与のもと話し合いを進めなければなりません。

遺産分割協議が完了したら、決定した内容を遺産分割協議書にまとめます。

遺言書や遺産分割協議書の内容に従って各種名義変更の手続きを実施

預貯金・有価証券等の名義変更手続き

遺産分割協議書の作成が完了したら、各相続財産の相続手続きを行えます。

相続した不動産の名義変更手続き

令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。

そのため、不動産を相続したら相続登記が必要となります。

相続税の申告

相続財産の分割方法が決定したら、相続財産の評価額を算出し相続税がかかるかどうか計算をしましょう。

相続税がかかる場合は、10ヶ月以内に相続税の申告・納税を行わなければなりません。

相続税の基礎控除

相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除枠が用意されています。

相続財産がそもそも基礎控除の範囲内に収まる場合には、相続税の申告も納税も必要ありません。

相続税の基礎控除とは?>>

必要な手続きを把握して相続手続きをスムーズに進めましょう

相続の手続きは100種類以上ある、とも言われております。

やるべきことが多く、期限が決まっているものも多くあるので、必要な手続きを把握したうえで、手続きを進めていくことが重要になってきます。

また、場合によっては相続手続きを行った後に次の相続の対策が必要になってくるケースも少なくありません。

少しでも疑問や不安があれば、専門家に相談することをおすすめいたします。

【決算・法人税節税対策】倒産防止共済の掛金の損金算入に制限ができました

令和6年10月1日以降、中小企業倒産防止共済を解約した際、新たに共済契約しても解約の日から損金算入できなくなりました。

法人が倒産防止共済の掛金を損金算入するには

法人が損金算入するためには、
別表10の7「社会保険診療報酬に係る損金算入、農業生産法人の肉用牛の売却に係る所得又は連結所得の特別控除及び特定の基金に対する負担金の損金算入に関する明細書」の
Ⅲ「特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書」の提出が必要です。